首に巻いていたタオル
南アルプスの仙丈ケ岳・甲斐駒ヶ岳を登山していた時。
その日はまだ日が登らないうちから仙丈ケ岳に向けて、北沢峠を出発しました。
首にはタオルを下げて、ヘッドランプで辺りを照らしながら歩いていると、次第に夜が明けてきました。
明るくなって、ふと気づいたんです。
「あれ?タオルがない!」
歩いている途中で首から落ちてしまったのか、まったく気づきませんでした。
これが初日だったので、あと2日間ある行程を「タオルなしで過ごすのか」と憂鬱な気分になったのを今でも覚えています。
この時は汗かきなのにタオルなし登山に絶望しましたが、後になって思うと自然に還らないタオルを落としてしまい、山を汚してしまったなと後悔しました。
普通のタオルは暑すぎる
これまでは普通のフェイスタオルを登山で使っていましたが、首に巻いていると熱がこもって暑かったんです。
むき出しよりはマシですが、別にUVカットもあるわけではなく、ただ汗を拭くためだけに首から下げていました。
アウトドアブランドのタオルは肌触りが嫌
「ではアウトドアブランドの速乾タオルはどうだろう?」と思い、アウトドアショップへ。
吸水速乾性はあるんでしょうが、合繊独特のゴワッとした肌触り。
あるいはマイクロファイバー独特のヌメッとした肌触りがどうにも気に入らず、結局今までのタオルを使っていました。
UVカットが付いているわけでもなかったんです。
そしてこの生地に出会った
仙丈ケ岳でタオルを落としたのをきっかけに不満が募り始めて早数年、ついに最高の生地に出会ってしまいました!
それが石川県のカジレーネさんという機屋さんで作られた生地なんです。
サウナ好き用に作られていたタオルの生地で、汗も身体も拭けてすぐに乾いて、サウナハシゴする時は首にかけて移動すればすぐに乾くという触れ込みでした。
しかもUVカット機能も付いている!
これって登山でもめちゃめちゃ良いのでは?
ということで早速生地を仕入れて試作してみました。
サイズと縫製の悩み
まずはサイズ感を決定しなくてはなりません。
カジレーネさんのサウナ好き用タオルは、フェイスタオルサイズ。
このサイズだとまた山で落としてしまいます。
そんなことを考えている時に、「マツコの知らない世界」という番組でストールの魅力を紹介していました。
首に巻いたり、肩にかけたり、頭に巻いたり・・・
これだ!と思い、ストールのサイズで使えるタオルを作ることにしたんです。
いざ生地を購入して裁断、縫製!とやってみたのですが、私はミシンが大の苦手・・・
家庭科の授業はペーパーテストで乗り切ってきた人間です。
まっすぐ縫えないし、生地がミシンに噛んでしまうしで、試作品はズタボロ。
(その試作品は今私が使ってます)
試行錯誤を繰り返し、やっと販売できる状態のものができあがりました。
じわじわ広がっていくすおーる
アウトドアイベントで購入してくださる方を皮切りに、徐々にネットで購入してくださる方も増えてきました。
汗拭き、日よけ以外にも、万が一の際には止血帯としても使えるサイズにしています。
多くの方の手にすおーるを届けて、登山女子のあなたがより快適に登山を楽しめるお手伝いを今後もしていきます。